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Joomla! 4.3 on OpenBSD 7.3: インストール

はじめに

Joomla! は、広く使われている PHP のコンテンツ管理システム (CMS) の一つです。ブログプラットフォームとしてだけでなく、ポータルサイトのような Web サイトにも適しています。最初のバージョンは 2005 年にリリースされました。そこから長い進歩を経て、最新のメジャーバージョンが 2 年前 (2021 年 8 月 17 日) にリリースしました。

Joomla! のインストールの流れを本記事で書きます。堅牢な OS である OpenBSD と PHP/PHP-FPM を使用します。いずれも現時点での最新のものです。

環境

参考記事

以下のいずれかが完了していない場合、お読みください:

  • MariaDB のインストール
  • httpd のセットアップ
  • PHP のインストール

Joomla! システム要件に関わる注意書き

PHP 8.2 の使用は、現在のところ Joomla! から公式に推奨されてはいません。 (参照: 技術要件 (英語)) しかしながら 8.2 は「サポートの強化」を 4.3 リリースで受けました。(参照: 公式 "What’s new in Joomla 4.3.0 Stable?" (英語)) PHP 8.2 を使うことは 8.1 と比べて良い選択肢になったと言えるでしょう。また 8.0 というもう 1 つの選択肢もありますが、こちらは間もなくサポートが終了します。 (参照: PHP の サポートバージョン (英語))

チュートリアル

データベースの準備

クライアントツールでサーバーに接続しましょう (たとえば mysql -u root -p を実行します):

-- データベースの作成
CREATE DATABASE <dbname> \
    CHARACTER SET utf8mb4 \
    COLLATE utf8mb4_unicode_ci;

-- ユーザーの作成
GRANT ALL PRIVILEGES \
    ON <dbname>.* \
    TO <dbuser>@'localhost' \
    IDENTIFIED BY '<dbpass>';

-- 権限をリロード
FLUSH PRIVILEGES;
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PHP エクステンションのインストールと有効化

MariaDB 接続のために mysqli を取得しましょう:

$ doas pkg_add php-mysqli
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出力内容、私の選択、および実行結果は、以下の通りでした:

quirks-6.122 signed on 2023-09-01T21:25:11Z
Ambiguous: choose package for php-mysqli
a   0: <None>
    1: php-mysqli-7.4.33
    2: php-mysqli-8.0.30
    3: php-mysqli-8.1.22
    4: php-mysqli-8.2.9
Your choice: 4
php-mysqli-8.2.9: ok
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有効化しておく必要があります (なお opcache もあわせて有効化します)。こちらを実行します:

$ doas ln -s /etc/php-8.2.sample/* /etc/php-8.2/
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これで有効化されました:

$ ls -l /etc/php-8.2
total 0
lrwxr-xr-x  1 root  wheel  30 Sep  2 10:09 mysqli.ini -> /etc/php-8.2.sample/mysqli.ini
lrwxr-xr-x  1 root  wheel  31 Sep  2 10:09 opcache.ini -> /etc/php-8.2.sample/opcache.ini
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Joomla! パッケージの取得

前提: /var/www/joomla を作業ディレクトリとします。

GitHub の releases からファイルをダウンロードするために、以下を実行します:

$ curl -LO https://github.com/joomla/joomla-cms/releases/download/4.3.4/Joomla_4.3.4-Stable-Full_Package.tar.gz
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解凍と展開と行います:

$ tar xzf Joomla_4.3.4-Stable-Full_Package.tar.gz
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パーミッションを Web ユーザー向けにします:

$ doas chown -R www:www ./*
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httpd (Web) サーバーの追加

httpd または PHP-FPM 8.2 デーモンが有効化されていない場合、まずそれを行うことが必要です。 (参照: 参考記事)

それらが完了している場合は、続行して Joomla! サーバーの定義を追加します:

$ doas nvim /etc/httpd.conf
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以下のように記述します。ここで <fqdn> は、あなた次第です。<chroot-parent-dir> は空文字列のはずです。 (これは作業ディレクトリ次第です。) さらに、TLS を有効にするためには、TLS 構成ファイルが必要です (後述)。

server "<fqdn>" {
        listen on egress tls port https
        tls {    
                certificate     "/etc/ssl/<fqdn>.crt"
                key             "/etc/ssl/private/<fqdn>.key"
        }
        log {
                access  "<fqdn>-access.log"
                error   "<fqdn>-error.log"
        }

        # `/var/www` 以下のどこを作業ディレクトリとしているかと `chroot` の設定次第です:
        root "<chroot-parent-dir>/joomla"
        directory index index.php

        location "/*.php" { 
                fastcgi socket "/run/php-fpm.sock"
        } 
        location "/*.php[/?]*" { 
                fastcgi socket "/run/php-fpm.sock"
        } 
}
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デーモンを再起動します:

$ doas rcctl restart httpd
httpd(ok)
httpd(ok)
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これで Joomla! の Web インストーラーにブラウザから接続できるようになりました。https://<fqdn>/ にアクセスしましょう !!

TLS 構成ファイル

acme-client を用いて Let's Encrypt にリクエストすることで、ファイルを取得できます。 (参照: OpenBSD acme-client の設定方法).

別の方法もあります。自己署名証明書としてつくる方法です。以下のようなコマンド操作で行えます:

$ cd /etc/ssl

$ # [ 定数 ]
$ # ksh の場合:
$ export MY_DOMAIN="..."
$ export MY_COUNTRY_CODE="XX"
$ export MY_STATE="..."
$ export MY_ORGANIZATION="..."
$ # fish の場合:
$ # set -x MY_DOMAIN "..."; (...)

$ # [ 生成 ]
$ doas openssl req -newkey rsa:2048 -new -nodes -x509 -days 36500 -keyout private/$MY_DOMAIN.key -out $MY_DOMAIN.crt \
    -subj "/C=$MY_COUNTRY_CODE/ST=$MY_STATE/L=/O=$MY_ORGANIZATION/OU=/CN=$MY_DOMAIN"
$ doas chmod 400 private/$MY_DOMAIN.key

$ # 作業ディレクトリに戻る
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TLS 接続をサポートしないサーバーの場合 (オプション)

https では無く http を使うサーバーを立てることもできます (安全性は下がります):

# httpd.conf
<         listen on egress tls port https
<         tls {    
<                 certificate     "/etc/ssl/<fqdn>.crt"
<                 key             "/etc/ssl/private/<fqdn>.key"
<         }
>         listen on egress port http
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TLS 接続あり無し両方の通信をサポートするサーバーの場合 (オプション)

それから、http リクエストをすべて https にリダイレクトさせることも、必要見合いで可能です:

# httpd.conf
server "<fqdn>" {
        listen on egress http
        # (...)
        block return 301 "https://$SERVER_NAME$REQUEST_URI"
}
server "<fqdn>" {
        listen on egress tls port https
        # (...)
}
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Web インストーラーの実行

インストーラーに従って進めれば大丈夫です。なお私の時は、上述の <fqdn>192.168.122.175 でした。

デフォルトの言語を選択して、サイト名を入力します:

joomla-4-install-01

システム管理者を作成します:

joomla-4-install-02

データベース情報を入力します。そしてボタンをクリックすると実際のインストールが始まります:

joomla-4-install-03

成功メッセージが表示されます:

joomla-4-install-04

インストール内容の検証

https://<fqdn>/ へのアクセスで、フロントページを表示できます:

joomla-4-home-01

管理画面の入口は https://<fqdn>/administrator/ です:

joomla-4-admin-01

認証が成功すると管理者パネルが表示されます:

joomla-4-admin-02

おわりに

これで最新の Joomla! を使用して Web サイトを構築する準備が整いました。非常にささいな操作に関する例を示してみます。メディアビューでメディアファイルをアップロードしてみます:

joomla-4-media-01

"Upload" をクリックして、ファイルを選択します。OpenBSD ロゴで試したところ、成功しました :)

joomla-4-media-02

本記事で示したように、httpd と PHP-FPM が構成されている場合、OpenBSD 上で PHP アプリを構築・公開するのは難しいことではありません。OpenBSD プロジェクトとコミュニティが PHP と Web サービス関連のコンポーネントをサポートしてくれているためです。

🕊 Happy serving 💫

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